近代文学や19世紀欧米文学、やっぱり読んだ方がいいという思いで、Xにて直球アンケートを取りました。
その結果と私の勝手な所感を書きます。
二回目は、夏目漱石です。

前提として、私のXのFFさんは物書きさんや読書家さんが多いです。そこは押さえておいてください。
それから、設問が一貫していないので、答えにくかったり回答がばらけたりしたとも思いますが、どうか大目に見てくださいませ。
「ほとんど読んでいない」という方が約4割なのは、ちょっと驚きました。ただ、「大体読んでいる」と「現代に通じると思う」を足すとそれを超えますね。正直ほっとしました。
確かにテーマは現代人には古いかもしれません。
そもそも漱石のような一級のインテリという存在自体が縁遠い感覚もあるでしょうし「近代人の自我」といわれるようなテーマもかなり時代性を刻まれたものと言えるでしょう。
ただ、私の見解を述べれば、やはり漱石は本当の意味で現代文学に通じる扉を開けた存在だという気がします。
また、「近代」をテーマにしつつも、江戸の文化教養もしっかりと身につけ、かつ英国で学んできた(どの程度かは措くとして)という存在そのものがやはり当時新しかったはずです。
難しいことは考えずとも、リズム感があり、巧みでこなれた的確な文章それ自体にも学ぶものは多い。
書く者としては一度は洗礼を受けた方がいい気がします。そして漱石自身が(明治の作家たちも含めて)どのように日本の「小説」(ロマン)を切り開いたのか、その足跡をたどると案外新しいかもしれません。
温故知新、です。