日本の近代文学や19世紀欧米文学、やっぱり読んだ方がいいという思いで、Xにて直球アンケートを取りました。
その結果と私の勝手な所感を書きます。
二回目は、太宰治です。

前提として、私のXのFFさんは物書きさんや読書家さんが多いです。そこは押さえておいてください。
それから、設問が一貫していないので、答えにくかったり回答がばらけたりしたとも思いますが、どうか大目に見てくださいませ。
太宰は好きな人は本当に好きで、嫌いな人はきっぱりと嫌いという印象があります。
私の場合は、どちらともいえず、作品に関してもとても好き、というわけでもないけれど、ある種の天才だと評価している。同時にその人物に関しては、一般的なモラルを云々するつもりはないけれど、やはりキワモノ的な印象をぬぐえない。
好きな作品は『お伽草紙』、これは文句なく面白い作品。
他に二度読みするくらいにいいと思ったのは、『斜陽』『ヴィヨンの妻』『黄金風景』など。
体系的に読んだことはない。太宰の生涯も漠然と知ってはいるというだけ。
でも太宰の妻・美知子夫人には並々ならぬ興味を持っている。
作家・太宰治は彼女の存在なしにありえなかったと思うから。
というわけで、私は美知子夫人について何かを著したくて、今太宰について調べている。そのなかで例のキワモノ的な印象に若干の変化はあった。
さて、自分語りが先に来てしまった。
アンケート結果で思ったこと。
案外、というべきか、やはり、というべきか、太宰は今でもかなり読まれていますね。「好きで読んでいる(いた)」と「有名な作品は読んだ」が圧倒的です。
その読み方は人それぞれだと思いますし、読書は自由でいいとは思うのですが、一つ私見を言えば、太宰は自分をそのまま書いているわけではないということ(少なくとも私はそう見ている)。だから実在した太宰と書かれた主人公をイコールにはしない方がいいだろうなという意見を持っています。
それはともかく、現代作家にもっとも影響を残している作家はもしかしたら太宰かもしれないと思います。実際「好きな作家」として太宰を挙げる現代の書き手は多いですしね。
太宰を評価しない人も「もし太宰治が存在しなかったら」と想定したらどうでしょう?
今日の文学はもっと違うものになったのではという可能性もあるのではないでしょうか。
その意味でも、太宰が山崎富栄と「心中」した後も、作家・太宰治を世に残すために尽力した美知子夫人は偉大でした。
(ちなみに私は「心中」説に少し疑問を持っていますが、それは今となっては余計な憶測なので、書きません。ただ『グッドバイ』の続きは読みたかったです。)