【あらすじ】
職務中に殉職した自衛官、天海隆司。
再び目を開けると、全く知らない世界にいた。
彼は前世の姿とは違い、華奢で美貌の侯爵令息、リューディス・アマ―ティアに転生していたのだ。
リューディスはこの世界でも人を守り、助けられるように身体を鍛え始めるが、兄カルロスはリューディスを溺愛し、親友ユージーンはやたらに懐いてくる。
おまけに王国の第二王子マクシミリアン殿下には気に入られ、婚約者の候補となってしまう。
どれだけ鍛えようとも美しい容姿や気高い性格に惹かれ、周囲はどんどんリューディスを愛するようになり……。
果たしてリューディスは自ら望むように冒険者になれるのか!?
本書裏表紙より転記

【感想】
長い物語の序章かな。
とにかく前世の記憶を幼い時に取りもどしたリューディス・アマ―ティアくんは破天荒。
それはそう。前世は日本の自衛隊員で日々真面目に訓練を重ねていた青年だったのだから。その名も天海隆司。
ちなみに隆司くんは、東日本大震災での災害救助で出動し、少女を救って殉職したという設定。そこには、自ら震災を体験した葛城さまの鎮魂の思いが込められています。
とはいえ、物語はコメディタッチで異国……いや異世界か……に転生したリューディスの、フランチェット国と周りの人々に対する面白いつっこみを含む内面の声をベースに進む。そこがコミカルで面白い。
冒頭から「○六・○○(マルロクマルマル)──起床よし!」で始まる匍匐前進の練習。
侯爵家の次男として転生したリューディスに求められているのは、第二王子マクシミリアン・フランチェットのよい「お嫁さん」になること。表紙絵のように、ひらひらかわいい衣装やきれいな宝石を身にまとっていても中身はすっかり元自衛隊員のリューディスにとっては、それはどうしても避けたいところ。
周りとのズレをものともせず突き進む主人公、リューディスくん、実にあっぱれ。一本気なキャラです。
本書の最後で、次章への大きなほのめかしが。続巻が楽しみです。