「物書きさんの三日日記」選考結果◆

記事

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大賞:『アイルランドの孤島から』うたかたさま
https://estar.jp/novels/26345677
◆何よりも軽快で読者を引き込んでいく文章の力。豊かで壮大な気分にさせられる他方で、細やかなエピソードの描写も愛おしい。
”村崎さんキャラ”ですっかり読者を魅了しました。
アイルランドの文化芸術のみならず、その大地の息吹までもが躍動するような素晴らしい旅行日記。
挿話の数々も気が利いていて、隠し味(?)もあり、奥深かったです。
ありがとうございました!

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準大賞:『氷柱探索記』藍沢 紗智子さま
https://estar.jp/novels/26337745
◆芦ヶ久保の「氷柱」の探索日記。全編ノリノリ・妄想炸裂、読者もにこにこの楽しい日記でした。
「アスリートが食べるものに気を使うように、
 物書きであれば体験するものに気を使いたい。
 by 藍沢 紗智子」
 冒頭のちょっとお澄ましの文句がお茶目でかわいらしいのですが、それをしっかり実践しているところがすごいんです。愛嬌のある描写の中に、体験して味わって、さあ、書くぞ! という気概があふれてました。
遭難必至(!)で撮られた吊り橋からの写真もよかったです。
ありがとうございました!

(佳作は筆者さまのお名前の五十音順に載せています)

🌸佳作:『冬の三日日記』蒼生光希さま
https://estar.jp/novels/26340759
◆子育てしながら働きにも出て、そして執筆……。ものすごく大変なことをこなしながら、一時はストレスを感じた自分の中の変化を丁寧につづっていく筆致がよかったです。
「グラデーションの気持ち」、たくさんの「物書きさん」の読者の方から共感を集めるのではないでしょうか。
素敵な日記をありがとうございます。

🌸佳作:『喰い逃げされないように』草加奈呼さま
https://estar.jp/novels/26337616
◆ユーモアとちょっぴり切なさを湛えた上質のエッセイでした。
そして、草加さまのつい観察してしまうところや、調べないと気が済まない様子は、まさに物書きさんの鑑!
やさしく読みやすい文体が内容にもとても合っていて、タイトルもいいですね!
ありがとうございました。

🌸佳作:『なんてことない3日間』今野綾さま
https://estar.jp/novels/26342211
◆文章がとてもきれいです。読みやすく、ふわっとイメージの湧き上がる描写に魅了されました。
なおかつ、「物書きさん」としての今野さまの信念の一端が語られていて、真摯に向き合っていらっしゃる姿に感動するとともに、我が身を顧みて身が引き締まる思いです。
ありがとうございました!

🌸『スカーフに春を乗せて』小梅あかりさま
https://estar.jp/novels/26334467
◆文章にてらいがなく、小梅さんの生き様と前向きな姿勢が伝わりました。M子さんの思い出。おしゃれすることで自分を上げていく気分。新宿の百貨店での不安や戸惑い。銀座のバーでの思わぬ心配りへの感謝の気持ち。
どの文章も余韻を残す末尾が読者への問いかけになっています。
素敵なエッセイ日記をありがとうございました!

🌸佳作:『記憶を、記録に』七瀬コタさま
https://estar.jp/novels/26266039
◆日付けの前にタイトル的な文句が入っていて、それが実にいい感じです。
子供時代のいじめ体験という辛い記憶のはずなのに、悲壮感を漂わせない芯の強さ。結婚してからの家族内バトルのどこかユーモラスな描写。
そして3日目「夢と希望の12月14日」。さりげなく元気な未来を語るあたり、読者への優しい気配りを感じます。
面白くて人を勇気づけられる不思議な文章の持ち主ですね。
ありがとうございました!

🌸佳作:『傷つけたのは君だった』春野わかさま
https://estar.jp/novels/26367253
◆上手すぎde賞を差し上げたい一作。歯に衣着せぬ言葉が小気味いいです。
90年代のJ-POPがBGMになっていそうな作品。そこまで織り込み済みですよね? 上手すぎです。
それに加えて、創作者としてある意味人を傷つけても糧にしてしまうような性《さが》がぐっと印象に残ります。
ありがとうございました!

*佳作は以上です。