小説作家アンケートと私の所感⑤ドイツ文学編

記事

日本の近代文学や19世紀欧米文学、やっぱり読んだ方がいいという思いで、Xにて直球アンケートを取りました。
その結果と私の勝手な所感を書きます。

四回目は、ドイツ文学編です。

画像
わりと万遍無く読まれていますね

前提として、私のXのFFさんは物書きさんや読書家さんが多いです。そこは押さえておいてください。

それから、設問が一貫していないので、答えにくかったり回答がばらけたりしたとも思いますが、どうか大目に見てくださいませ。

フランツ・カフカ。今でも人気の高い作家ですね。日本の文学者・作家にも好む人が多い気がします。『変身』が有名です。ある朝目覚めると巨大な虫になっていた、というところから始まる不条理小説の代表作。
ドイツ語で書いたのでドイツ文学に分類されますが、カフカはチェコのユダヤ人です。当時のカフカの置かれていた民族的・言語的な帰属意識は、にわかには分かりづらいですが、作品に影響を与えているのではないでしょうか。
かなり難解であるにもかかわらず、多くの人が読み、何らか影響を受けているという意味では、稀有な作家の一人かもしれません。

ヘルマン・ヘッセ。
子供の時に『車輪の下』を読まされた人も多いかもしれません。日本の子供の受験競争との類推で語られていた作品、という印象が強いです。私の世代だけかもしれません。
『少年の日の思い出』は教科書に載っていたという方もいらっしゃるかも。印象深い掌編です。
私は高校生の頃ヘッセにはまり、『デミアン』に訳も分からず感銘し、『メルヒェン』や『シッダールタ』を読みました。
それ以来読んでいません。ヘッセはやはり、よく言われるように若い、いえ思春期に響く作家なのかもしれないなと今は思います。(当時そういう話を聞いたときには強く反発したのを覚えています。)
ちなみに全く個人的な話で、ミッション系大学の哲学科を受験したとき、好きな本を聞かれて『シッダールタ』と答えたのを覚えています。受かりましたけどね。
ヘッセもドイツ語で作品を書きましたが、スイス人です。

トーマス・マン。
ごめんなさい。私はトーマス・マンを一冊も読んでいないのです。始めから読む気がなかった訳ではなく、何度読もうとしても挫折してしまう、つまり読めないのです。
数人、どうしても読めない作家がいて、トーマス・マンもその一人です。これは生体反応的なところがあるので、良い悪いの話ではないと思っています。
『トニオ・クレーゲル』『魔の山』などが邦訳では入手しやすいですね。
どちらかというと、お兄さんの方に興味があります。

選択肢に入っていませんが、忘れてはいけないのはゲーテ。コメント欄で触れられていました。時代が想定している時代よりやや早いので選択肢に入れませんでした。『ファウスト』はぜひ読んでみたいと思っています。