「書くことしかできない」のが私、でも。

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 私がなぜ文章を書くのかというと、それしか自分を表現する手段がないからです。
 あ、いや、実際には声や身振りや表情で日々表現はしていますね。
 
 でも、絵などの美術系も、音楽も、演劇やダンスなどの身体表現もまったく何の才もない自分が、かろうじて出来たのが、文章表現だったわけです。

 そのうえ自分は、子供の頃から極端な口下手で、話すのがとても苦手でした。周りの環境なども関係していたと思います。

 二十歳過ぎても、やはり話すのは得意でなく、特に「おしゃべり」は上手くできない。いつも「会話」に怯えていました。
 当時は、ああ、書くように話せたらどんなにいいだろうと切実に思ったものです。

 文章は、多分得意だったのでしょう。
 作文は何も意識せずに書いても、小さな町ですが、賞をもらうことが多かったです。

 いろいろなジャンルの表現・作品を鑑賞するのは好き。
 でも、自分に出来るのは、かろうじて「書く」ことだけ。

 いえ、もっと言えば、「書く」ときに自分はいちばん解き放たれることが出来たのです。
 人は表現せずにはいられない。
 その中で、自分にとっていちばんやりやすかったのが「書くこと」。

 昔から、話すのが苦手な自分がものすごくコンプレックスだったけれど、そう多くのものを望めるような人間ではないと悟った今は、やはり「書くこと」が私の「生きること」なのです。