道端で商売する楽しみ/高円寺の夜市

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 昨日は、私の入居している新型のシェア書店「本店・本屋の実験室」に行きました。自分の本棚の補充をしたり、来てくださる方とお話をするのが目的です。

 午後、四時間余りお店にいましたが、日が落ちると何やら外がざわざわとし出しました。今日は高円寺の夜市があるようです。手づくりのアクセサリーや雑貨などを、商店街の通り沿いに敷物一枚で並べて、売りにきている人がどんどん増えてきました。

 いいなぁ、楽しそう。
 それが、その光景を目にした私の率直な感想です。
 しばらく見ていても、ほとんど売れていません。
 でも、おそらくは友人同士で、男女問わず思い思いの恰好(ゴスロリ系?や浴衣の方もいました)でモノを売る。
 その様子がたまらなく自然で楽しそうに見えたのです。

 社会に出ると、会社組織などの人間関係しかなくなりがちです。
 でも、それはあくまで「仕事をする」という目的のために自分がそこにいるのだということ。それは当然ではあるけれど、あくまで外側の目的でしかありませんよね。

 そうではなくて、自分で意思して自分で作ったものを自分で売る。
 だからこそ楽しい。
 それは商売ではあっても、それ自体が目的であるわけではないんですよね。

 素の自分で友人だけでなく見知らぬ通りがかりの人たちともお話ができる、コミュニケーションを楽しめる。

 大げさに言えば、人間の本来の欲求であり喜びかもしれない。

 私が始めたシェア型書店も、売れればうれしいけれど、それ以上に本好きの方々にいい本をご紹介したい、できれば本好きである自分たちについて語り合いたいという思いがあります。

 ちょうど今日、文学フリマ東京のブース当選の通知が来ました。
 初めて出店する文フリを思う存分まずは楽しみたいと思っています。